―信じるものが1人でもいれば、その物語は真実に違いない。―ポール・オースター
1990年ブルックリン―。 14年間毎日同じ時間に同じ場所で写真を撮り続けるタバコ屋の店主、オーギー。 最愛の妻を事故で亡くして以来書けなくなった作家、ポール。 18年前にオーギーを裏切り昔の男と結婚した恋人、ルビー。 強盗が落とした大金を拾ったために命を狙われる黒人少年、ラシード。 それぞれの人生が織りなす糸のように絡み合い、そして感動のクライマックスへと向かっていく……。
現代アメリカを代表する作家ポール・オースターが1990年ニューヨークタイムズに発表した短編小説「オーギー・レンのクリスマス・ストーリー」をもとに 作者自ら脚本を書き下ろし、『女が眠る時』『 ジョイ・ラック・クラブ』のウェイン・ワン監督が映画化した言葉にならない感動作。目には見えないが必ず存在するタバコの煙のように曖昧でつかみどころのない真実を問いつめた本作は、 ヨーロッパや全米で公開されるやいなや大絶賛を浴び記録的なヒットとなりました。
物語最後のクライマックスで流れるトム・ウェイツの名曲、「Innocent when you dream」が映画のテーマを凝縮したモノクローム映像とともにいつまでも心に響く感動の余韻を残しています。